シークレットガール!【完】




──バーン、バーン、バーン。




大空に大きな花が咲いて、それは一瞬で散っていく。


「…煩いなぁ」


「美沙ちゃん花火嫌いなのー?」


「音が嫌い」


「へぇ…。あー、割り箸落としちゃったー」


下を見ると、彼の宣告通り割り箸が2本。


これ、絶対わざとだ。


ぎろり、彼を睨んでみると。


彼はご機嫌な笑顔を浮かべた。


そんな彼は何を思ったのか、手をこちらに伸ばしてきた。


彼の手の先にはあたしの片頬。


今日は花火大会用に髪の毛をセットしてきたので、崩したくない。


だから、いつもなら瞬時に避けるところだが、今日は避けれなかった。


その彼の手は優しくあたしの頬に触れ、あろうことか彼は手だけでなく、顔も近づけてきた。


キキキキキキキキキキキキスッ!?


なんて、アホな考えが頭を過ったが、ゴミ箱に捨てた。


はるるんは、さすがにそんな最低な事はしない。


目をカッと見開き、彼の動作の行方を観察する。


いくら接吻はしないとはいえ、何をするか分からないからね、この変態さんは。


すると、やはりキスをする気ではないようで、彼の顔はあたしの耳元に。


どーせ、ふぅーって息かけてくるに決まってる。


そう鷹を括って、ふぅーに用心する。


けれど、耳に来たのは息じゃなくて、甘い吐息。




「アーン、してくれる?」


「……~ッ‼」



ふぅーじゃなくて、甘い言葉。


油断した!絶対顔真っ赤ッ!


バッと髪の毛のことも忘れ、いつも通りに彼から瞬時に離れる。


「なななななななな何してくれとんじゃぁああああぁぁああぁ!!!!!」


マジでなんなの。


どっから、そんな甘い声が出てくんの。


やだやだやだやだこの色魔。




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