シークレットガール!【完】
「……………」
ポツンと残されたあたしとはるるん。
妙な沈黙が流れているのは言うまでもないだろう。
「…じゃあ、おトイレ行きますか」
これしか言うことがなかった。うん。
はるるんは、うん、とだけ短い返事をする。
ゆっくりトイレに向かいだしたあたしたち。
「…………」
てゆーか、何でトイレ行くだけでこんな暗い感じになってんの。
痔とかならまだしも、何もないよ!?
「……」
も、もしかしてだけど……
「はるるん、もしかして痔ですか」
「殺されたいの?」
ひゅーーとマイナス5℃の風が吹いた。
「いえ、滅相もない」
よ、良かった……。痔じゃなくて……。
うううっ。
「ちょ、何で泣き出しそうなわけ!?俺、怖かった!?え、マジでごめんって‼」
あわわわ、と慌てだしたはるるん。
いや、はるるんが怖かったワケじゃないんだよ。
「はるるんが痔じゃなくてよがっだぁあああぁぁ」
あたしは涙線が崩壊。ただし、涙は出てきていない。
うううっ、と嘘泣きするあたしを白い目で見てくる彼。
ここはノるところでしょーが。
「…さてさて、では本気でトイレに行きましょうか」
「その言い方大きい方を出すために踏ん張りに行くみたいー」
「下ネタ発言」
「男は皆、変態だってー」
「志貴先輩は?」
「アレはムッツリだよムッツリ」
「え、嘘。あたしは純情ボーイと信じてるよ」
浴衣だから、歩幅が小さい。
いつもの距離も心なしか遠く感じてしまう。
カランコロン、カランコロン。
下駄が鳴る。
「はるるん、知ってた?下駄の音ってカランコロンって効果音が多いけど、実際そんな音じゃないじゃん?実はカランコロンは引きずって歩く歩き方を昔の人が可愛く言っただけなんだってー」
「何でそんなこと知ってんのー」
「…天才だから?」
「そのネタ飽きた。てゆーか、事実過ぎて、ボケとして成立してない」
「あたしはツッコミたい派だし」
なんでやねん、ってね。