タカラモノ~小さな恋物語~




そのあとは実にトントン拍子で進んでいった。



「本当ですか?!」と宇野さんは大喜びし、早速私たちは連絡先を交換した。


もちろん具体的に何をするなんていうのがあるわけではないが、宇野さん自身、私と知り合いになっている方のがメリットがあるのかもしれないな、と思った。


「カフェ代、奢らせてください!」という宇野さんを必死に断り、割り勘をしてお店を出た。



「本当に今日は突然、すみませんでした。ありがとうございました、これからお願いします!」


最後に宇野さんはそう言って、私とは反対方向へと帰って行った。





「……。」



私はやっぱりしばらくボーっとしたままだった。



今日1日、嵐のような日だった。


あまりにも突然で、あまりにも速い。



訳が分からないうちに、物事が終わってしまったような気分。





宇野紗彩さん…。


可愛らしい女の子。


きっと純粋で、まっすぐで、ケンのことで頭がいっぱいなんだろうな。



だからこんな見ず知らずの私にも……。



ケンが大好きなんだね。


きっと彼女は、私の知らないケンもたくさん知ってる。





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