タカラモノ~小さな恋物語~
でも……
これでよかったの?
「分からない…」
そして、言葉に出来ない胸に残るモヤモヤした気分。
黒くドロッとした塊が、私を覆い尽くしているような気がした。
トロトロと車を走らせ、家に帰宅した。
「ただいま…」
「おかえり、どうしたの?元気ないわね?」
お母さんが私を見てそう言った。
「うん、なんだか疲れちゃった。」
「外寒かったでしょう?コーンスープ入れてあげるから、着替えてきなさい?」
私は静かに頷いて、部屋へ着替えに行った。
鞄をベットへ放り投げたら、チャックが開いていたのか、中身が散らばってしまった。
「あー、もう最悪。」
苛立ちを覚えながらひとつひとつ手に取ってしまっていたら、ふと手が止まった。
それはケンがクリスマスプレゼントにくれたピンクのポーチ。
私は化粧品のポーチで使っていた。
「ケン…」
ギュッと握りしめる。
「あ…れ…?」
気付いたら、私は涙を流していた。