タカラモノ~小さな恋物語~




「どーせ二人とも予定無いでしょう?」


「どーせって、鈴音さんひでぇな。」


「もう、いいじゃないの、この際!せっかくだし、ね?」



い、い、いやいやいやいや、鈴音さん!!!


ちょ、ちょっと待ってください!!!



え、え、え、何この展開?!



全く頭がついて行かないんですけど?



「いや、あの、その…」


「ね!決定。はい、じゃあこれ、飛鳥ちゃん。」


「え、鈴音さっ…」


「じゃ、私休憩行って来まーす!」



鈴音さんは強引に私にチケットを押し渡して、なぜかウインクをした。



いや、鈴音さん、全然意味わからないんですけど!



私とケンはしばらく呆気にとられ、その場に立ち尽くした。






「な、何?あれ…」



微妙な空気が流れる気まずさから、やっとの思いで私は口を開いた。



「…さぁな。」



さすがのケンでも苦笑いをした。




「これ、どうしよ…」


そう言って私は、自分の手の中にあるチケットを見つめる。




< 111 / 157 >

この作品をシェア

pagetop