タカラモノ~小さな恋物語~
「どーせ二人とも予定無いでしょう?」
「どーせって、鈴音さんひでぇな。」
「もう、いいじゃないの、この際!せっかくだし、ね?」
い、い、いやいやいやいや、鈴音さん!!!
ちょ、ちょっと待ってください!!!
え、え、え、何この展開?!
全く頭がついて行かないんですけど?
「いや、あの、その…」
「ね!決定。はい、じゃあこれ、飛鳥ちゃん。」
「え、鈴音さっ…」
「じゃ、私休憩行って来まーす!」
鈴音さんは強引に私にチケットを押し渡して、なぜかウインクをした。
いや、鈴音さん、全然意味わからないんですけど!
私とケンはしばらく呆気にとられ、その場に立ち尽くした。
「な、何?あれ…」
微妙な空気が流れる気まずさから、やっとの思いで私は口を開いた。
「…さぁな。」
さすがのケンでも苦笑いをした。
「これ、どうしよ…」
そう言って私は、自分の手の中にあるチケットを見つめる。