タカラモノ~小さな恋物語~
「は、宇野…?」
「そう宇野紗彩ちゃん、サッカー部のマネージャーの!」
ケンは眉間にしわを寄せた。
「…なんでももてぃが宇野のこと知ってんの?」
「いや、あ、それは…」
ここで、宇野さんにケンとの恋を協力してほしいと相談されました!…だなんて言えるわけがない。
それは残酷過ぎるし、宇野さんに合わせる顔がない。
「そ、そんなことどうでもいいの!」
「いや、よくねぇだろ。」
若干イラつき気味のケン。
もう、なんでそんなところ気にするのかなぁ?
「いいから、はいっ!」
さっきの鈴音さんのように今度は私がケンに強引にチケットを押し渡した。
「行って来なよ、宇野さんと!」
「……。」
急に黙り込むケン。
何、ケンってばどうしちゃったの?
「そうか、ふーん、そうだよな。」
「え、何?」
ケンはパッと私の顔を見た。
「…っ」
なんで、そんな顔してんの…?
そこには思わず私の方が言葉を詰まらせてしまうような、ケンの悲しそうな表情があった。