タカラモノ~小さな恋物語~



悲しくて、苦しくて、心が空っぽだった。




ケンと初めてのケンカ。


今まで、私が勝手に気まずく感じたり、距離を感じたことはあったけれど…



ケンが初めて私に怒った。


目も見てくれなかった。



なんで、こんなに空回りをしてしまうんだろう。




宇野さんとケンが二人で出かけるの、何も感じないわけないじゃん。


嫌に決まってる。


大切な人……大切な男友達であるケンを失ってしまうような、そんな気分。





私ね、不覚にも嬉しかった。


ケンが大学で女の子たちとほとんど喋ってないって宇野さんから聞いて。


あくまで同僚だけど、それでもケンがいつも私に笑いかけてくれていたから。


だから…だからこそ、ケンにとっての女友達は、今は私だけでいいって、そんな友達としての独占欲が生まれちゃったの。




宇野さん、ごめんなさい…


私、心からあなたの恋を応援できないよ。



ケンに恋人なんて、出来て欲しくない。



今は、まだ、そんなに私、強くないよ…




ケン、ごめんなさい。


お願いだから、私のこと、嫌いにならないで…。




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