タカラモノ~小さな恋物語~



水族館なんて何年振りだろう、とても懐かしく感じた。



「わぁ、大きい…!」


入場してすぐの私たちを待ち構えていたのは、巨大な水槽だった。


「でっけぇなぁ…」



呆然と二人で巨大な水槽を眺める。



…にしても、カップル多いなぁ。


周りを見渡すと家族連れ、女の子のグループ、カップルでいっぱいだった。



隣でやや上を見上げていたケンを見る。



「……。」



ケンってば、こんなに背高かったんだ。


いつもと違う雰囲気の整えられた髪。


大人っぽいダウンジャケット。


シトラスの…香水。



―――私とケンは…どう見られている?



「ん?どしたの?」


「へっ、あ、ううん!次行こっか。」



び、びっくりしたぁ。


いきなりこっち見たから、ていうか、そんなに私ガン見してたのかな。




他のお客さんとすれ違う時にぐっと私とケンの距離が縮まる。


時折触れる私の方と、ケンの腕。



そして時折くじけそうになる私をケンが支えてくれた。


「っと、大丈夫?」


「うん…平気。」


まともにケンの顔が見れなかった。


体が熱くて、恥ずかしくて、どうしたらいいか分からなかった。



「本当にももてぃ一人にしたら心配。」


そうクスクス笑いながらケンは言った。




< 124 / 157 >

この作品をシェア

pagetop