タカラモノ~小さな恋物語~
水族館なんて何年振りだろう、とても懐かしく感じた。
「わぁ、大きい…!」
入場してすぐの私たちを待ち構えていたのは、巨大な水槽だった。
「でっけぇなぁ…」
呆然と二人で巨大な水槽を眺める。
…にしても、カップル多いなぁ。
周りを見渡すと家族連れ、女の子のグループ、カップルでいっぱいだった。
隣でやや上を見上げていたケンを見る。
「……。」
ケンってば、こんなに背高かったんだ。
いつもと違う雰囲気の整えられた髪。
大人っぽいダウンジャケット。
シトラスの…香水。
―――私とケンは…どう見られている?
「ん?どしたの?」
「へっ、あ、ううん!次行こっか。」
び、びっくりしたぁ。
いきなりこっち見たから、ていうか、そんなに私ガン見してたのかな。
他のお客さんとすれ違う時にぐっと私とケンの距離が縮まる。
時折触れる私の方と、ケンの腕。
そして時折くじけそうになる私をケンが支えてくれた。
「っと、大丈夫?」
「うん…平気。」
まともにケンの顔が見れなかった。
体が熱くて、恥ずかしくて、どうしたらいいか分からなかった。
「本当にももてぃ一人にしたら心配。」
そうクスクス笑いながらケンは言った。