タカラモノ~小さな恋物語~
私がお会計をしていると、店員さんのおばちゃんがニコニコしてコソッと、「かっこいい彼氏さんだね~」と言った。
「へっ…」
私は言葉に詰まって、顔を赤くする。
「あなたもとても可愛らしいし。美男美女カップルね。」
「ち、ちが…」
「あらあら、謙遜なさらないで。」
いやいや、謙遜ではなくて!
カップルじゃないのに…!
お会計を終え、ケンの所へ戻ると、「持つよ。」と言って袋を持ってくれた。
レジの方へ振り返ると、さっきのおばちゃんがニコニコして小さく手を振っていた。
いや、誤解解けぬままだし……。
「ん?知り合い?」
「あ、ううん。」
「ふーん、てかももてぃ顔真っ赤。どしたの?」
「へ…そ、そうかな?あはは…さ、行こっか。」
私は急激に熱くなった体の温度を冷やしたくて、ケンを外へと促した。
こんなところでこんな風になるとは…
私とケン、そんな風に見えるのかな?
カップルに…?
どうして、こんなにもドキドキするんだろう。
きっと暖房のせい、あったかすぎるんだね。
私は自分にそう言い聞かせて、ケンの後を追った。