タカラモノ~小さな恋物語~
「俺、大学に入って、とりあえず女子から言い寄られることとか多くてさ。ま、さらっと自慢?」
少しドヤッと決めたケンを「あー、はいはい。」と私は流して聞いた。
「わ、ももてぃ流したな。ま、いいや。
で、最初の内は適当に相手したりしなかったりで、流されるままだったんだけどさ。あることがきっかけで、もうそういうのやめたんだよね。」
「…あること?」
「うん、あること。それはナイショ。」
「へ?なにそれ、気になるじゃん!」
私はケンを見てそう言うものの、クスクス笑うだけだった。
「ま、それは置いておいて。
でもしつこい人たちはしつこくてさ。特に宇野がね。」
「……。」
「まぁ、俺もハッキリ言えばよかったのかもしれないけれど、ガン無視っていうか、相手にしてなかったんだよな。女子を。」
うん、言ってたよね、宇野さん。
ケンが一切女の子と喋らなくなったって。
「で、多分宇野の最後の手段として、ももてぃだったんだと思う。
俺さ、本当にバイト好きだから、よく部員とかに仕事の話とかしてたから、そう言う情報が耳に入ったんだと思う。」
「そっか…」
「バイト先にまで来てたしな。」
ケンは「はぁ」と呆れたかのようにため息をついた。