気まぐれ猫系御曹司に振り回されて
それでも、同じ部署で彼の仕事を見ている凜香にすれば、彼への評価は微妙だ。彼はなぜかいつも突拍子もないアイディアを提案する。企画開発課長などは、社長の次男の透也にいずれ出世の階段を追い抜かされることを意識してか、陰では彼を貶めようと〝企画開発部のお荷物〟だの〝問題児〟だのと言っている。
そんな透也が昨日提案したのが、〝生ゴミからの堆肥作りを体験するミミズ・コンポスト〟の付録だ。その案は聞いた瞬間凜香も没だと思ったが、課長は部署全員の前で馬鹿にして笑ったのだ。凜香は思わず課長に意見しそうになったが、当の透也はそれより早くふっとどこかへ消えていた。
(ま、屋上でふて寝してたんだってわかったけど)
凜香は車で阪神高速湾岸線に向かった。目指すは大阪南港エリアにある複合商業施設、ATC。姉に車で連れて行ってもらったことがあるとはいえ、自分で運転していくのは初めてだ。ついハンドルにかじりつくようにしながら運転してしまい、ATCの駐車場に車を駐めたときには、すっかり肩が凝っていた。
「運転ありがとう。疲れただろ?」
透也に訊かれて、凜香は涼しげな顔を作って答える。
「別に。いつものことだから」
そんな透也が昨日提案したのが、〝生ゴミからの堆肥作りを体験するミミズ・コンポスト〟の付録だ。その案は聞いた瞬間凜香も没だと思ったが、課長は部署全員の前で馬鹿にして笑ったのだ。凜香は思わず課長に意見しそうになったが、当の透也はそれより早くふっとどこかへ消えていた。
(ま、屋上でふて寝してたんだってわかったけど)
凜香は車で阪神高速湾岸線に向かった。目指すは大阪南港エリアにある複合商業施設、ATC。姉に車で連れて行ってもらったことがあるとはいえ、自分で運転していくのは初めてだ。ついハンドルにかじりつくようにしながら運転してしまい、ATCの駐車場に車を駐めたときには、すっかり肩が凝っていた。
「運転ありがとう。疲れただろ?」
透也に訊かれて、凜香は涼しげな顔を作って答える。
「別に。いつものことだから」