気まぐれ猫系御曹司に振り回されて
 凜香はイライラして前髪をかき上げた。いったい透也にはどこから見られていたんだろう。彼がこの公園を知っていたとは思えない。ということは朝からつけられていたのだろうか。

(信じられない。こんなダサダサな格好見られちゃった)

 凜香がため息をついたとき、ランチボックスを持った両親と手をつなぎながら木陰に入ってきた男の子が、凜香に気づいた。

「あ、凜ちゃん!」

 両親の手を離して駆け寄ってくる。凜香は男の子に笑顔を向けた。何度も一緒に遊んでいる小学一年生だ。

「ショウくん、こんにちは」
「あのね、凜ちゃんに直してほしいんだ」

 ショウがショベルカーのワッペンがついた小さなリュックサックを地面に下ろしたとき、彼の母親が追いついてたしなめるように言う。

「ショウ、ご挨拶は」
「あ……こんにちは」
「そうでしょ」

 母親とショウのやりとりを微笑ましく見ている凜香の前に、ショウがリュックサックから水色の自動車を取り出し、両手で持って差し出した。

「凜ちゃんにもらったソーラーカー、走らなくなっちゃったんだ」
「そうなの? いつから?」
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