センターマイクの君へ(仮)
鳥井の言葉に兄は足を止め振り返る。相変わらず眠そうな表情を浮かべている。
「うん…寝たりないしー」
「コーヒー飲んだばかりなのによく眠れるねー」
「ハハ、まぁ~慣れちゃったしな。それに、眠いし…」
それだけ言うとルイと鳥井に手を振りリビングから姿を消した。
二人きりになった広いリビング…
「…ルイちゃん、嫌いな食べ物とかある?」
兄がいなくなり沈黙が二人を襲ったが、それを破ってくれたのは鳥井だった。
「嫌いな…だいたいは食べれます」
「そっかぁ~、まぁ嫌だったら残してくれていいから」
「あ、はい…」
いつもニコニコとしている鳥井。ルイはどう接すればいいのか分からずぎこちない態度を取っていた。そんな態度も鳥井はすぐに察しキッチンへと進みながら告げた。
「いきなり来て、同居になっちゃったから困るよね~。でも、普通にしててよ!」
「普通?」
「あー、普通にするのが難しいかぁ…。」
自分の言ったことばにクスリと笑う鳥井。