恋愛ドクター“KJ”
 アスカは、KJの返事を相手にせずに話を続けた。

 「まあ、知らなくてもいいわ。
 そのみどりから相談を受けてて、助けてあげたいのよ。
 だからKJも手伝って」

 「助けるって、何するの?」

 「みどり、好きな男の子がいるのよ。でも、なかなかコクれなくて。
 だから、KJが助けてあげてよ。
 みどりを安心させてあげてよ」
 アスカは、すっかりとお願い口調になっていた。

 「う~ん。どうやって?」
 KJの返事はそっけなかった。

 「どうやってって。それはKJの仕事でしょ。
 どうやるかはKJが考えて、それでみどりを安心させるのよ」
 こんどのアスカは命令口調だった。

 「いや~。そのみどりって女の子を知らないし。相手も知らないからなあ。
 それじゃ、どうしようもないよ」
 KJの答えは分りやすかった。

 「何いってるの。
 そんな言い分けはどうでもいいから、なんとか方法を考えるのよ。
 サイダーでも飲んだら!」
 いつの間にか、アスカはKJの上司になっていた。

 「わかった、わかったよ。
 でも、方法を考えるって言っても、みどりっていう子と、相手のことが分らないと、どうしようもないなあ。
 それに僕は魔法使いじゃないから、ダメなものはダメだし‥‥」
 そのKJの対応も当たり前だった。



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