恋愛ドクター“KJ”
 「ダメなものはダメだし‥‥」
 そのKJの言葉に、アスカは鋭く反応した。

 「そんな弱気でどうするの?
 “多数決”なんで、役に立たないものを操作するんじゃなくて、相手の男の子を操作するのよ。
 人の行動に“偶然”はないんでしょ。
 いい、必勝法よ。必勝法。
 “恋愛必勝法”をみどりに教えて彼女を助けるんだから」
 アスカは決めつけていた。

 「とりあえず、その二人のことが分らないと作戦の考えようもないよ。
 少しでも可能性のある二人なら、その可能性を二倍に高めることは難しくないけどね。
 うん。あれが使えるかも‥‥」
 アスカの押しに負けた形のKJだったが、その話し方は、「あのKJ」になっていた。

 「分ったわ。
 じゃあ、きょうの放課後、みどりにあって話を聞いてあげて。
 “善は急げ”っていうから」

 何もかも仕切ったアスカは、そう最後に締めくくった。








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