恋愛ドクター“KJ”
美味しいと評判の、マックのプレミアムローストコーヒー。
それをゆっくりと味わいながらKJは話を続けた。
「昨日の、みどりと祐二のグラスの置き方だけど、アスカは覚えてないよね」
確認のため、KJが聞いた。
「ぜんぜん覚えてないわよ」
予定通りの答えだった。
「うん。それはどうでもいいや。
あのね、昨日、みどりと祐二は、テーブルを挟んで座ってたよね。
僕が、そう座るよう、あらかじめみどりに伝えておいたから」
「たしかに向かい合っていたわ」
「そう、ちょうど、今の僕とアスカの位置関係だよ。
テーブルを挟んで座ってた。
二人はドリンクバーを注文していたから、2個のグラスがあった」
そう言ったKJとアスカの目の前にも、同じようにカップが2個あった。
KJは、自分のコーヒーカップを手に取ると、自身の目の前ではなく、横に移動して置いた。
それから、さらに説明を続けた。
「あの二人、こんなふうに、グラスを自分たちの目の前でなくて、横にズラして置いていたんだ。
二人とも、そうしていた」
「だから‥‥。なによ」
「人ってね、好意を持ってる人と自分との間に、何かを置きたくないものなんだ。
それがどんなに些細なものでもね。コップ1つでもだよ。
逆に、相手のことをさけたい場合は、物を置きたくなる。
ほら、覚えてるかな。前に飯能駅で見かけた男女を池袋まで追いかけたことがあるでしょ。
あのとき、男の人は、女の人との間にアタッシュケイスを持っていたよね」
そういえば‥‥と、アスカは思い出した。
その話は、以前にもKJから聞いている。
「でも、そんなことで?
言い切れるの?」
アスカの疑問は自然で、グラスの置き場所だけで二人の関係や気持ちを決め付けるにはムリがある。
「うん。それだけでは断言はできないけど、実は、昨日、僕は確認したんだよ。
祐二は100%の確率でみどりのことが好きだよ」
≪ど、どういうこと?≫
KJを観るアスカの目が、そう質問していた。
それをゆっくりと味わいながらKJは話を続けた。
「昨日の、みどりと祐二のグラスの置き方だけど、アスカは覚えてないよね」
確認のため、KJが聞いた。
「ぜんぜん覚えてないわよ」
予定通りの答えだった。
「うん。それはどうでもいいや。
あのね、昨日、みどりと祐二は、テーブルを挟んで座ってたよね。
僕が、そう座るよう、あらかじめみどりに伝えておいたから」
「たしかに向かい合っていたわ」
「そう、ちょうど、今の僕とアスカの位置関係だよ。
テーブルを挟んで座ってた。
二人はドリンクバーを注文していたから、2個のグラスがあった」
そう言ったKJとアスカの目の前にも、同じようにカップが2個あった。
KJは、自分のコーヒーカップを手に取ると、自身の目の前ではなく、横に移動して置いた。
それから、さらに説明を続けた。
「あの二人、こんなふうに、グラスを自分たちの目の前でなくて、横にズラして置いていたんだ。
二人とも、そうしていた」
「だから‥‥。なによ」
「人ってね、好意を持ってる人と自分との間に、何かを置きたくないものなんだ。
それがどんなに些細なものでもね。コップ1つでもだよ。
逆に、相手のことをさけたい場合は、物を置きたくなる。
ほら、覚えてるかな。前に飯能駅で見かけた男女を池袋まで追いかけたことがあるでしょ。
あのとき、男の人は、女の人との間にアタッシュケイスを持っていたよね」
そういえば‥‥と、アスカは思い出した。
その話は、以前にもKJから聞いている。
「でも、そんなことで?
言い切れるの?」
アスカの疑問は自然で、グラスの置き場所だけで二人の関係や気持ちを決め付けるにはムリがある。
「うん。それだけでは断言はできないけど、実は、昨日、僕は確認したんだよ。
祐二は100%の確率でみどりのことが好きだよ」
≪ど、どういうこと?≫
KJを観るアスカの目が、そう質問していた。