恋する淑女は、会議室で夢を見る



「違うの?」

桐谷専務がニヤリと口元を歪め、目を細めて真優を見下ろす。

「わ…私はべ… 別に
 先輩として尊敬している…だけで」

「茹でタコみたいに真っ赤だよ?」

!!!

専務はデスクからペンと紙を手にとって
スラスラと何かを書きながら

「わかりやすいよねぇ~」
と、クスクスと笑う。



「最近は、自転車じゃなくて徒歩で通勤してるようだけど」

一歩一歩、専務が真優に近づいてくる。

「え!…
 あ…」

「今朝君が楽しそうに一緒に歩いていたのは、
 あれは確か総務の男で
 昨日は…営業の男だったかなぁ~」

!!!

「毎日毎日
 あっちこっちと、忙しいみたいだねぇ~」

ジリジリと後ろに逃げているうちに

「ちょ…」

真優の背中が、壁にぶつかった。






「―― 君に言ってなかったことがある」

「・・・」

覆いかぶさるように、前に立ちはだかった桐谷専務は
真優のあごに指をかけ

!!!

クイッと上にあげた。


「残念ながら 青木くん

 君が俺の秘書である限り

 君は永遠に…


 Aカップの処女のままだ!」


そう言って、
ペタッと真優のおでこに、大きな付箋を貼った。


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