恋する淑女は、会議室で夢を見る



*...*...*...*...*





会場に到着し、
運転手が開けてくれたドアから真優が降りようとすると、スッと手が現れた。

「…ぁ」

桐谷専務の手だ。

「さあ、行きましょうか
 お嬢さま」

ニッコリと専務が微笑む。

「…ありがとうございます」

ちょっとはにかんだ真優は、
専務の手に、そっと自分の手を重ねた。







一歩踏み入れたそこは…


輝くシャンデリア。

そこかしこを飾るチョコレートのオブジェに、華やいだリボンのディスプレイ。
クラシックの軽快なリズムが、否応にも真優の気持ちを盛り上げる。

ぐるっと見渡せば、
テレビや雑誌の中の住人が優雅に歩き、
楽しそうに語らっていて
真優は不思議な思いに囚われた。


―― こんなパーティもあるんだ


そこは真優がずっと避けてきた、
品定めの目が光る虚飾の世界とは少し違って見える。


若い女の子が多いから?

―― それとも…
甘いチョコレートのおかげかも?




「あれ? 青木真優ちゃん?」

振り返ると

「洸さん!」
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