恋する淑女は、会議室で夢を見る




*...*...*...*...*




その夜、
真優はノートパソコンで、株式会社M&Mのホームページを開き
まず、会社の沿革を見てみた。


――設立は去年…
 今年の3月にx社を吸収合併…


次に社長挨拶のページを開く。

挨拶の言葉と共に、
ページにはマー先輩の上半身の写真がある。

公の写真だからだろうか
マー先輩は廊下で会った時よりも更に大人に見えた。


―― 起業して吸収合併まで…すごいなぁ 




なんとなく誰かに言いたくて、親友の絵理に
”取引先の廊下でマー先輩と会った”
と、SNSで送ってみた。


BuBuBu


画面を見れば、絵理からの着信だ。


「もしもーし 絵理?」

『会ったの!? マー先輩と』

食いつくように聞いてくる絵理の電話で
真優は今日の話をした。

「…それでね、
 名刺をくれたんだけど…
 その時先輩がペンを取り出して携帯の番号を名刺に書いたんだ」

『携帯の番号?』

「うん」

『真優、多分ね
 マー先輩はまだ真優のことが好きだと思う』

「え!?」


< 118 / 210 >

この作品をシェア

pagetop