恋する淑女は、会議室で夢を見る


やがて、数分の簡単な挨拶が終わり、
U社の新社長の元を離れると


「さ、本日の業務は終わり
 あとは自由時間ね」

と、桐谷専務が言う。



「え?!

 専務っ

 私を1人にするんですかっ!?」




「…ったく君は
 公園に捨てられた子猫か」



泣きそうな顔をして見上げる真優をみて
桐谷専務はため息をついた。



「よく見てみろ

 あそこにいるのは B社の女性秘書
 あそこにはF社の秘書
 彼女たちの事は、君も知ってるだろう?
 G社の女社長もいる
 こういう機会に親交を深めて情報収集

 君の得意分野じゃなかったのか?」


「あ! そっか!
 そーですよねっ! 了解です任せてくださいっ」

瞳を輝かせて、真優は飛ぶように人ごみの中に入って行った。




「…」

ヤレヤレとため息をつきながら
真優の後ろ姿を見送けた桐谷遥人は
会場を見渡し、
先ほどと同じ場所に白木匡がいることを見止めた。


 … 大学の先輩 ね






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