恋する淑女は、会議室で夢を見る




『運命だよ 真優
 この広い東京でバッタリ会うなんて
 偶然なんかじゃないんだよきっと』

絵理が言っていたそんな事が
少し痺れた真優の脳裏に、ぼんやりと浮かぶ…。



パーティ帰りのリムジンの中、
考え事をしながら外を見ていた真優は


「それで?
 いつ会う事になったんだ」

「…うん
 土曜日


 !」

桐谷専務の質問に、つい答えてしまった。



「な… 何のことですか
 やだなー」

桐谷専務はギロリと真優を睨んでいる。


「ちょ
 ちょっと!
 睨まないでください専務
 言っておきますけど私、怒られるようなことはしてませんよ

 別に…ただの先輩と後輩っていうだけですし」


「ふーん
 あの男は君にキスすらしなかったのか」

「!」


「一体どういうことなんだ、君は気が多いのか?
 あっちへフラフラ
  こっちへフラフラ

 つい最近まで仁を見て
 こーんな顔をしてたくせに」

桐谷専務が揃えた拳を口元にあてて目を細めてみせた。


!!!

「ちょ!! やめっ!!」

真っ赤になってシートベルトを外した真優は
専務の手を掴もうとして

と、同時にリムジンがカーブに差し掛かり

「キャ!」

専務の膝の上になだれ込んだ。

!!
< 129 / 210 >

この作品をシェア

pagetop