恋する淑女は、会議室で夢を見る




久しぶりにマー先輩と一緒に見た映画はスッとする勧善懲悪のアクション映画で
食事をしながら感想を言い合うのは、楽しかったし
軽くワインを飲んでいたこともあって、帰りの車の中の真優はご機嫌だった。

メーターパネルが光るアウディの中で
運転するマー先輩を、助手席から見れば
マー先輩もまた楽しそうである。


名残惜しい余韻を残し、車が青木邸に着いた。

お茶でも、と誘おうと
マー先輩を振り返った時

「今日はこれで帰るけど
 真優、覚えてる?
 俺が大学を卒業する時の送別会で言ったこと」

と、マー先輩が言った。


―― 送別会?

真優は慌てて記憶を辿った。


卒業式の後…
大きなスクリーンがある店の一室で
マー先輩たちの送別会をした。

スクリーンに映し出されていた映画は
古い映画で…


誰かが挨拶をして
クラッカーがパンパン大きな音を立てていたから
先輩の言った言葉がよく聞き取れなくて


『…たら また一緒に映画をみよう』


あの時、何て…?
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