恋する淑女は、会議室で夢を見る


なぜだか不安に揺れる心を落ち着かせようとして首元に手を伸ばすと、
指先がヒヤリとしてネックレスのペンダントトップに触れた。

それは、滝田家の披露宴の後、お詫びにと桐谷専務がくれた
宝石で出来たケーキのネックレスだ。


『お嬢さまったら、
 今はもうお友達とはいっても、
 他の男性から頂いたネックレスをつけていかなくても…』

ユキには止められたが、
魔除けだからと言ってつけてきたネックレス…。





「真優…
 俺はあの時、
 ”君の両親の前に出ても恥ずかしくないだけの自信がついたら迎えに行く
 そうしたらまた一緒に映画を見よう”
 って言っただろ?」

! 


―― え?




「まだまだ 小さい会社だが
 真優に苦労はかけない」


マー先輩が、
真優の座席に手をかけて身を乗り出した。



ハッとして首元から手を離した瞬間
真優の指先から、ネックレスのケーキがコロッと逃げた…。



「ずっと、真優を想いながら
 ただ迎えに来ることだけを考えてきた


 好きだ 真優…

  愛してる」
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