恋する淑女は、会議室で夢を見る




*...*...*...*...*






結局、桐谷専務が戻ってきたのは
あと少しで時計が3時を示す頃だった。


コンコン


「失礼します」と専務室に入り

いつもの場所に珈琲カップを置く。


「ありがとう」

いくつかの伝言を伝えて、最後に
「お昼前に営業の氷室さんがいらっしゃいました」
と、報告すると、

「そう」

と答えた桐谷専務は、椅子にゆったりともたれて
長い足を組み
ジーーっと真優を見た。



「   … なにか?」

「それで、俺の代わりに
 君が仁と食事に行ったわけだ」


「… はい」

「大好きな氷室先輩とのランチで ”超うれしい~”
 それともCEOに告白でもされて
 ”どうしよう~氷室せんぱーい”」

!!

「な… 何言ってるんですかっ!
 そーやってすぐ!

 だいたいね、専務がいけないんですよ
 ちゃんと魔除けをしてくれないからっ!」

バシッ っと机を両手で叩き
真っ赤になって真優は、専務を睨んだ。





「―― わかった…

 俺が悪い理由を聞こうじゃないか」


椅子から背中を離した桐谷専務は、

身を乗り出すようにして
デスクに肘をつく。
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