恋する淑女は、会議室で夢を見る
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トクトクトク
ユキが注ぐ琥珀色の紅茶を見つめていた真優は、
「私、マー先輩と
あらためてお付き合いしようと思うんだ」
と言った。
「…え?
お嬢さま、
白木さまとは お友達でいたいって」
「…うん そうなんだけど」
ユキは真優の真意を知ろうとして、顔を覗きこんだ。
チラッとユキを見た真優は、紅茶にミルクを入れてカップを手に取り
白木匡に言われた話をザックリと話して聞かせた。
「すごいんだよ マー先輩
学生の時に司法試験に合格した話はユキも知ってるよね?」
「ええ」
「それからね」
嬉々としてマー先輩の活躍話を聞かせる真優の話を
頷きながら聞いていたユキは
「白木さまがおっしゃるように
ゆっくりお考えになったらいかがですか?」
と、真優にニッコリと微笑んだ。
「最近、お嬢さまには
お見合いの話が沢山きてますよね?」
「え?
… あぁ」
専務と一緒に、ほんの数回パーティに行っただけなのに
お見合いの話は、”パーティでお見かけして”というものだった。
相手のことを聞くこともなく、真優は片っ端から断っている。
「同じだと思いますよ?
その方たちだって、皆さんお嬢さまのことがお好きなのに」
「…ユキ」
「未来は、決まっているわけじゃないんですから
焦らないでいいじゃありませんか」
紅茶を口にした真優は、
少し考えたように俯いて、指先でネックレスを転がしている。
―― だってお嬢さま
”魔除け”が必要なくらい、
今はマー先輩から気持ちが離れているんですよね?