恋する淑女は、会議室で夢を見る




*...*...*...*...*







トクトクトク

ユキが注ぐ琥珀色の紅茶を見つめていた真優は、

「私、マー先輩と
 あらためてお付き合いしようと思うんだ」

と言った。


「…え?

 お嬢さま、
 白木さまとは お友達でいたいって」

「…うん そうなんだけど」



ユキは真優の真意を知ろうとして、顔を覗きこんだ。

チラッとユキを見た真優は、紅茶にミルクを入れてカップを手に取り
白木匡に言われた話をザックリと話して聞かせた。


「すごいんだよ マー先輩
 学生の時に司法試験に合格した話はユキも知ってるよね?」

「ええ」

「それからね」
嬉々としてマー先輩の活躍話を聞かせる真優の話を
頷きながら聞いていたユキは

「白木さまがおっしゃるように
 ゆっくりお考えになったらいかがですか?」

と、真優にニッコリと微笑んだ。



「最近、お嬢さまには
 お見合いの話が沢山きてますよね?」

「え?

 … あぁ」

専務と一緒に、ほんの数回パーティに行っただけなのに
お見合いの話は、”パーティでお見かけして”というものだった。

相手のことを聞くこともなく、真優は片っ端から断っている。


「同じだと思いますよ?
 その方たちだって、皆さんお嬢さまのことがお好きなのに」


「…ユキ」



「未来は、決まっているわけじゃないんですから
 焦らないでいいじゃありませんか」




紅茶を口にした真優は、
少し考えたように俯いて、指先でネックレスを転がしている。




―― だってお嬢さま

”魔除け”が必要なくらい、
今はマー先輩から気持ちが離れているんですよね?


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