恋する淑女は、会議室で夢を見る
言われたことは図星ではあったが、
ボンヤリしていたわけでも
資料を間違えたわけでも、珈琲を入れ間違えたわけでもない真優は
キッっと、桐谷専務を睨んで
答える代わりに質問で返した。
「専務に会いに来る
P社のあの秘書さんは
P社の社長令嬢なんですよね?」
「そう」
「仕事で来るっていうより
専務に会いに来ているって感じじゃないですか?」
長い足を邪魔そうに組んだ専務は
掲げるように書類を見つつ
椅子をユラユラと左右に揺らし
「うーん そうかもねー」
と、気のない返事をする。
「…
専務もお見合いの話とかあるんですか?」
「あるよ」
「専務はお見合いとかで結婚するんですか?」
「まぁ普通はそうなるねぇ
でも俺は普通じゃないから」