恋する淑女は、会議室で夢を見る
・・・
―― それにしても参ったなぁ
ベッドにバタッと倒れ込み
真優はスマートフォンを取り出した。
SNSを開いて、久しぶりに友達の近況を見ると
何人かの友達は、恋人との楽しそうな出来事を綴っている。
―― ん?
そのうちの1人、
ナオミの恋人が記憶の中の恋人と違っているような気がして、過去の記事を辿ってみると
3週間前を境に、それ以前の記事は全て消されているようだった。
ナオミは恋人と別れると、それまでの記事を全部消してしまう。
熱しやすく冷めやすいことを自分でも自覚しているナオミは、一年以上恋人と続いたことがない。
この前の恋人とも結局一年は続かなかったということなのだろう。
記事だけじゃない。
ナオミは、別れた恋人に関する物を全てを捨てると言っていた。
『ダメになった人との想い出なんか
いらないもん』
『でもさ、楽しかった想い出もあるでしょ?
それもいらないの?』
『そんなのセンチメンタルになるだけで
なんの足しにもならないわ』
確かにそうかもしれない、とは思う。
マー先輩のことを思いだす時は、いつだって胸の中に薄い雲が広がったような感傷的な気分になる。
そのセンチメンタルな気持ちが、
前向きで建設的なものになることはないのだろうか?
例えば、終わっていなかったとなると…?
答えを見つけられずに
真優はバタッと仰向けになって
天井を見つめた。