恋する淑女は、会議室で夢を見る



・・・



ジーッと見ていた時計の針が

ピン!

20分経過したことを告げると同時に、真優は席を立った。


コンコン

そっと専務室に入ると、桐谷専務はまだソファーに横になったままである。

向かいの席から身を乗り出して顔を覗きこむと、規則正しい微かな寝息が聞こえた。

起こすのが忍びなく思った真優は、
小さな小さな声で桐谷専務の寝顔に語りかけた。

「3週間が経ったから、あと1週間の辛抱ですよ
 …専務、がんばってくださいね」


そのまま少し様子を見てみたが、専務は起きる気配を見せない。

とりあえず珈琲をいれて、また起こしてみよう
そう思いながら真優は部屋を出た。



―― 専務、私 ケリーさんに聞きました

 社長がニューヨークに戻られても、ケリーさんは残って専務秘書になるんですってね

 …ケリーさん、私と違って優秀だから、専務よかったですね

 でも私は、ちょっと寂しいです



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