恋する淑女は、会議室で夢を見る



*...*...*...*...*





そして水曜日、

通勤途中
「真優ー」
「あ、高橋くんおはよう~」
同期の高橋くんと一緒になった。

「この前大丈夫だったのか?」

「ああ ごめんね」

「いやー全然知らなかったよ
 専務と真優が…」

「へ?」

「隠さなくていいよ
 俺見てたんだ、専務とあと…M&Mの社長だろ?あの人
 やっぱ思った通りだ、真優はモテるんだ…」

「ちょ ちょっと何言ってんの?
 誤解だよ誤解っ!
 私酔ってて… あーー 恥ずかしい…
 専務に申し訳なくて」

「真優
 まさか本当にわかってないの?
 あの状況でも?」

「やめてよ もー
 なんでもないって」




・・・





『じゃあさ
 真優は、俺がずっと真優を好きだって
 わかってた?』


真優は呆然としたまま、ストンと自分の席に腰を下ろした。


――全然気づかなかった

真優にとって高橋は、異性であることを超えて、
入社以来何でも相談できる気のおけない友人だった。


『今だから言うけど、俺は真優が営業にいたころから
 ずっと好きだったよ
 でも真優は氷室先輩が好きだっただろう?

 週末暇だから電話してよ とか色々言ってたのになぁ
 やっぱり気づいてもらえなかったか』


アハハ、と自虐的に笑った高橋は
『さすがに専務が相手じゃ今度こそキレイさっぱりあきらめるよ』と言った。



―― 高橋くんの誤解だよ
 専務が私を好きとか有り得ないから…



高橋の告白を聞きながら
真優は、自分が桐谷専務に同じことを言ってるような錯覚を覚えた。


” 専務は、私が専務を好きだって
  知ってました? ”







・・・






その日の夜
真優が選んだのは薄い色のミルクチョコレート。


―― 甘い…


もし、私が告白したら専務はなんて言うだろう。

”君が?俺を?
 へー そうなんだ”

専務ならそう言って

”ごめんね お詫びにこれあげる”

軽く受け流して
美味しい輸入チョコレートをくれるかもしれないな…


クスッ…




*...*...*...*...*
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