恋する淑女は、会議室で夢を見る


金曜日。

瀬波と話をする機会があったので、真優は思い切って聞いてみた。

「あの、ケリーさんが専務の秘書になるのはいつからなんですか?」

「ん?ケリーは専務の秘書にはなりませんよ
 専務の秘書は、私と青木さんだけです
 いままで通り、よろしくお願いしますね」

「え?」

「ちなみに、どうしてそう思われたのですか?」

「…ケリーさんがそう言っていたので」

瀬波は溜め息をついた。

「そうですか
 ケリーはどうも口が軽いというか…秘書としての資質に問われるところがありましてね
 それ以外は優秀なんですが…、
 次の人事で別の部署に異動することになっています」


―― そうなんだ…


自分でもげんきんだなぁとは思う。
専務には婚約者も恋人もいないし、秘書の交代もしないとわかった途端
踊りだしたくなるように気持ちが浮き足立ってくる。





夕方仕事を終えた時には、真優の気持ちも固まっていた。


―― 自分だけの責任で、ちゃんと断ろう
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