恋する淑女は、会議室で夢を見る
KIRITANIを出た真優は、意を決してM&Mへと向かった。
もう無理だった。
自分を誤魔化しきれないくらい、気持ちは桐谷専務のことで一杯だ。
約束は明日なのだから、一日待って父に断ってもらえば済む話だが、それでは誠意がない気もするし
何よりもう居ても立っても居られなかった。
――こんなに専務が好きなんだもの
自分の気持ちを正直に、マー先輩に伝えよう…
・・・
30分後、真優は
M&Mが入っているビルを見上げた。
マー先輩が、今ここにいるかどうかはわからない。
とりあえずエントランスホールに入り、中央から二階へと続く大きな階段の陰に立った真優は
スマートフォンを取り出した。
その時
「すまない」
ん?
マー先輩の声が聞こえた。
声をするほうを見ると、反対側の階段の影にいるマー先輩を見つけた。
「いやっ」
よく見ると、マー先輩は女性と揉めているように見える。
影に隠れるようにして耳を澄ますと…
「でも、言ってくれたでしょ?
M&Mは、私の名前”マリア”のMをとったんだって」
――え?