恋する淑女は、会議室で夢を見る
「え?
… あ
あぁ そういえば
うん…
落ち込んでいたから可哀そうだと思ったんだね
桐谷さんは私のこと子供だって思ってるし」
怪訝そうに首をかしげるユキを尻目に
―― 氷室先輩
来年辞めちゃうんだ…
真優は、氷室先輩を想った。
今日の氷室仁は、
真優がよく知る”氷室先輩”とは、ちょっと違っていた。
日本中の女の子の憧れの的で、実物は目を見張るほど美しかったモデルのLaLaと友達で
西園寺洸や桐谷遥人のような日本を代表する御曹司たちと並び
事もなげに寛いでいるその姿には、違和感の欠片もなくて、
それは
氷室仁がそういう世界の住人であることを物語っていた。
すごいな…先輩
いち営業マンとしても優秀で
あの中にいても、素敵で光ってて
それに比べて…私は
ただの場違い女…
先輩――
…来年辞めちゃうんだ
そう思いながら座席に寄りかかって
真優は目を閉じた。
―― 寂しいな…