恋する淑女は、会議室で夢を見る



経済的にも何もかも自分だけの力で
たった1人で生きていく――


そんなことは、考えたこともなかった。


1人暮らしの派遣社員の女の子のアパートに
遊びに行ったこともある。


慎ましいなりに女の子らしい部屋には
恋人との2ショットの写真があった。

『素敵な彼じゃない!』

それからひとしきり恋の話をして
結婚式には呼んでねと無邪気に言った。

『お金がないから籍を入れるだけなの』

そんなことを聞きながらも
披露宴に掛かる費用も
そのアパートで1人で暮らすことの大変さも想像すらできず
ただ、うらやましいと思っただけだった。






…恥ずかしい



自立した大人の女になるんだ、
 なんて言ってるくせに

―― 私って 結局甘くて



なにも見てなくて…




なんか

  最低だな…


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