恋する淑女は、会議室で夢を見る



「ん?
 連絡してメイドに用意してもらうか
 外食だな」


「そうですか

 ふーん…」


何やら考え込むような真優を
面白そうに見つめた仁は

「真優、
 俺は女を部屋に入れたりしないんだ」

と言ってニヤリと笑った。




「え?」


―― 恋人でも?



「それに、真優
 俺には
 ”彼女さん”に該当するような奴はいないぞ」




「―― え?

 …でも」


じゃあ、バーで見かけた
あのグラマーな美人は?




「悪いな 真優
 俺のプライベートは

 ヒミツだ」


長い睫毛を微かに伏せて、チラリと真優を見ろした氷室先輩は
この話はこれでおしまいだと言うように整った唇を閉じ

新しいグラスを真優に渡して
トクトクとビールを注いだ。



―― 先輩?




じゃあ… あのグラマーな美人は?

キスしていた あの人は…

  なんなんですか…





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