恋する淑女は、会議室で夢を見る
・・・
『決まってる訳じゃないと思うけど
秘書課の子は確かみんなスカートだったわよ
真優もスカートにしたほうがいいんじゃない?』
華子先輩に勧められた通りスカートのスーツを着てきた。
スカートで乗ることにも慣れてきた自転車を駐輪場に停めて
ペタペタと汗を拭き
気持ちも新たにエレベーターに乗る。
フロア毎に止まって人を降ろしながら
グングン上に昇っていって
途中から、エレベーターの箱の中は真優1人になった。
チン
いつもより大きく聞こえたエレベーターの到着ベルを合図に
心細さを振り切って
開いた扉から真優は、緊張の一歩を踏み出した。
カツン
カツン
自分の靴音だけが響き渡る。
いつもより少し早く来たとはいえ
賑やかだった営業部のフロアと違って
廊下は物音ひとつしない。
同じ会社だというのに、
そこはまったく別の空間だった…。