恋する淑女は、会議室で夢を見る




―― それにしても


孤独だ…



RRR

カチャ

「はい
 はい 聞いてます」

ピッ

「A社の荒川社長からお電話です」

ピッ


時々かかってくる電話も、こうして取り次ぐだけ。

廊下を通る人は通り過ぎていくか
これまた専務に誰それさんが来ましたと、取り次ぐだけ。

その他に口を開く機会といえば、
給湯室や女子トイレで偶然秘書室の先輩と会った時くらいだろうか。

お昼休みも、電話があるかもしれないので
なるべく席で食事をとるようにしているのものだから、
うっかりすると半日誰ともしゃべらないなんてこともある。

このままじゃ声の出し方を忘れてしまいそうだと真優は本気で思った。

営業部にいた頃は、なにかにつけ先輩達に相談しながら仕事の話をすすめたし
隣の華子先輩や高橋君とたわいない雑談もしていた。
それでなくてもあちこちで電話が鳴り響き、賑やかなざわめきの中にいたので、
今のこの水を打ったような静けさが真優にはどうも馴染めない。


…まいったなぁ


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