残業しないで帰りたい!

どうやったら彼女の情報を得られるんだろう。

試しに営業支援係長の高野に部下の女の子たちのことをそれとなく聞いてみた。でも、出てくるのは白石さんとか他の女の子の話ばかり。

高野、空気読めないなあ。

全然青山さんの話題にならないから、思いきって「青山さんって新人の子はどお?」って聞いたのに、返ってきたのは「んー?よくやってると思いますよ」なんていい加減な答えだし。

そんなんじゃ、全然わかんないよ!

あ……。
そっか。

彼女の近くで会話を聞いていたら、少しは情報得られるんじゃない?

……それって、要するに盗み聞きだけどね。
盗み聞きなんて俺、迷走してんなあ。
考えることが幼稚。

でも。
たとえ幼稚でも何でも構わないから、彼女のことが知りたい。

青山さんは昼休み、営業支援係の北見さんと白石さんとの3人で休憩室で昼食を食べている、ということは前から知っていた。

仲良しの先輩たちとなら、男の話くらいするかもしれない。

だから、いつもなら昼は外に食べに行っているんだけど、その日はコンビニ弁当を買ってきてさり気なく彼女たちの隣のテーブルに腰かけてみることにした。

俺にしてはものすごく勇気ある接近。

北見さんと白石さんは二人並んで座っていて、向かい合うように青山さんが座っている。
だから、北見さんと白石さんの背中を見つつ、青山さんと向き合うような形で座った。

正面に青山さん……。
それだけでドキドキする。

うーん、やっぱり可愛い。

青山さんが俺を見ているように錯覚しちゃうけど、実は北見さんを見ているこの構図……。

少しは俺を見てくれないかな。
目があったら、微笑みかけてみようかな。

でも、彼女が俺を見る気配は全くない。
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