残業しないで帰りたい!
……チラッとも見てくれないの?
俺、女の子の目を引く自信、少しはあるんだけど。
なんか、落ち込むな……。
でも、そうだよね?
君からしたら俺なんて、通りすがりのオッサンだもんね?
にこにこ笑いながらパクッと野菜を口に運ぶ青山さん。
彼女が食べているのは手作り弁当だろうか?
青山さん、料理するんだ……。
食べてる姿も可愛いなあ。
料理してる姿も可愛いんだろうな。
エプロンなんかしちゃったら、たまんないだろうなあ。
……。
ふと、頬杖をついて彼女を見つめる表情が緩んでいる自分に気が付く。
コラコラ!
デレデレしすぎ。
ガン見しすぎ!
俺、完全にバカになってるな……。
盗み聞きに姿勢を正すのもなんだけど、背筋を伸ばしてじっと青山さんたち3人の会話に耳を傾ける。
3人はドラマの話で盛り上がっていた。
そして、そのドラマの話が一段落すると、今度は北見さんがうちの男どもの情報をいろいろと話し始めた。それを白石さんが興味津々で聞いている。
でも、青山さんはその話題には全く興味がなさそうで、会話に加わることもなく、黙々と弁当を食べている。
青山さん、うちの社員には興味ない?
やっぱり男がいるから?
「青山さん、相変わらず興味なし?」
北見さんが彼女に話しかけた。
それっ!
それが知りたいんだよ!
北見さん、いい仕事するじゃない!
「えっ?えっと、はい……」
「男に興味がないにしたってさ、もうちょっとお化粧しなさい!社会人なんだから」
「すみません」
「今は若いからいいけど、あと2、3年したら通用しないんだからね」
「……はい」
あ、青山さん、ちょっと困ってる。