残業しないで帰りたい!

「努力は……します」

困った様子の彼女の笑顔。

……ああ、その笑顔も超可愛い。
たまんないなあ。

「青山さん可愛いのに。お化粧したらもっと可愛くなるよ?」

「やめてください、そんなお世辞……。私、可愛くないし、ならなくてもいいんです。」

お世辞じゃないよ!君はすごく可愛いんだ!
……って、俺が言ったわけじゃないけど。

化粧をしても可愛いんだろうけど、これ以上可愛くなって他の男が振り向いても困るから、君はこのままでいいんだよ、うんっ。

「なによそれ?そんなこと言ってたら、いい男なんてすぐ売り切れちゃうよ?」

イライラする北見さん。
この会話の流れ、彼女に男はいないよね?

「私、男の人とお付き合いするとかちょっと考えられないので……。すみません」

「ふーん。若いのにもったいなーい。ホントは若い内にいろいろ見ておいた方がいいんだよ?変な男に騙されないためにも」

「はあ……。でもいいんです。すみません」

おおっ!
つまり?

これはもう確定でしょ?
彼女に男はいないってことだよねっ?

よっしゃー!
良かったあ!

机の下でグッと拳を握って小さくガッツポーズをした。思わず顔がにやける。

そうだよね?
彼女は純真なだけですよ。
男なんているわけないじゃない!

クスッと笑ってコンビニ弁当の蓋を開けた。

これからは、お昼はこうやってここで食べようかな。
そしたら毎日彼女をそばで見られるし。
会話もちょっと聞けちゃうし。
彼女の声が聞けちゃうし!
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