残業しないで帰りたい!
そのままの俺を受け入れてもらえなかったら、それはもうダメってことなんだ。
だから、君には俺の本心を伝えよう。
そもそも、こんなオッサンが若い子に狂って、怖がられて嫌われている状況。何もかもがマイナスからのスタートなんだ。
それなのに今、なぜか君は俺に興味を持っている。このチャンスを逃したら俺は絶対に一生後悔する。
今しかないんだ……。
追い詰められて覚悟が決まった。
だから、勇気を出して片目を開けたんだ。
「寝てないよ」
「わわっ!!」
青山さんはものすごくビックリしていた。
そりゃそうだよね?寝てると思って見てたんだもんね?
「なあに?そんなにじろじろ見て」
「……寝てたんじゃないんですか?」
「寝てないよ」
「エー?嘘ですよ。完全に寝てましたよね?たった今起きたんですよね?」
青山さん、昨日の別れ際とはずいぶん違う明るい表情をしてる。
昨日は辛そうな顔のまま帰してしまったから、俺も辛くなったんだけど……。少しは元気になったのかな?
昨日のこと、引きずってるわけじゃなさそうだね?
「そこまで言うなら、そういうことにしてもいいけど。それは君の思い込みだから」
青山さんは訝しげな顔をした。
「こんな所で何してるんですか?」
青山さん……。
そんな風に話しかけてくれるなんて、俺のこと怖くないの?
嫌いってわけじゃないのかな?
そんな期待に胸が疼いた。