残業しないで帰りたい!
だけど、そんな蛇の生殺しみたいなお預け状態に耐えられるわけもなく、堪え性のない俺は結局彼女にしつこいキスをして、抱きたいアピールをしてしまった。
「香奈ちゃんに痛い思いなんてさせたくない」
しつこくしておきながらそんな女々しい発言をした俺に、彼女はとんでもないことを言った。
「なんか、初めてだけは他の人としてほしいみたい」
ガバッと起き上がって目を見張る。
……なに、言ってんの?
なんてこと、言うんだよ!
冗談きついよ!
そんなこと言うなんて……。
思わず大きな声を出した。
「ダメ!絶対ダメ!」
「そんなことしないよ?」
大きな声に驚いたのか、困ったように俺を見上げる茶色い瞳。
君にだって興味があるのはわかるし、俺が臆病なせいでジラせてしまったのかもしれないけど。
だからって他の男なんて……そんなの、ダメに決まってるじゃない!
他の男になんか渡すかよ!
他の男になんか触らせない!
そんなこと言うなんて、香奈ちゃん怖くないんだね!?
怖がっても、俺、もう知らないからねっ!
俺は独占欲が強くてどうしようもないヤキモチ妬きだ。他の男の手が君に触れるなんて許せない。考えたくもない。気が狂う。
それに君の初めてを他の男に渡すわけがないだろ?なに言ってんの?
君は俺のものだ!俺のものなんだ!
グルグルと唸るような欲望のまま衝動的に彼女の唇を奪った。久しぶりに止められない自分を感じた。