残業しないで帰りたい!

その後なんとか必死に自分を抑えて「大事に抱く」なんて言ったけど。

なめらかな頬をそっと撫で、柔らかい唇を食み、耳に口づけて白い首筋に舌を這わせたら我を忘れた。

香奈ちゃん、香奈ちゃん……。
腕の中で戸惑い悶える君は可愛いすぎて、頭が空っぽになって、ただ追い求めることしかできなくなる。

欲しい欲しい。
もっと欲しい。
欲しくて欲しくてたまらない。

……何が、欲しい?

もっと声を聞かせて欲しい。
もっと反応して欲しい。
もっと俺を見つめて欲しい。
もっと感じて乱れて欲しい。

そういえば俺、女の子に尽くして感じさせたいなんて、考えたことなかったな。相手の体は自分の快楽のためだけに存在していた。

でも、君のことは感じさせたい。
君のためならいくらでも尽くすよ。
だから何度でも感じて。
俺、しつこいんだ……。
俺は君の欲望の全てが欲しい。

初めて抱いた彼女の体は白く柔らかくて、必死にしがみく細い指を肩に感じたら胸が締め付けられた。

もう、気持ちが逸って止められない。

でも彼女の体が心配で気が気じゃなくて、何度も髪を撫でて「大丈夫?」って聞いた。

彼女は俺が思っていたほど痛がらなかったけど、それでも我慢して隠そうとしているのが可哀想で、その上ぽろっと涙を流したから本気で心配した。

でも、彼女は潤んだ瞳で俺を見つめて一生懸命に言った。

「嬉しくて幸せなの。あなたに愛されて私、本当に幸せなの」

俺の頬に手を伸ばしてそう言った彼女があまりに愛しくて、背筋がゾクッとした。愛しすぎて頭が痺れて、たまらず力いっぱい抱き締めた。
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