残業しないで帰りたい!

その声が愛おしい。
その反応が愛おしい。
その瞳が愛おしい。
乱れる君が愛おしい。

こんな感覚……。

抱いたら君は完全に俺のものになるんじゃないか、なんて心のどこかで思ってたけど。
この感覚、支配とは違う。

彼女の全てが愛おしい。
彼女の欲望も、彼女を求める俺の欲望も全てが愛おしい。

ああ、そうか……。
そういうことだったのか。

俺、知らなかったなあ。

俺は愛情と欲望って全く別物で、むしろ対極にあるものだと思ってた。

俺は今まで、独りよがりでただ発散するだけの欲望しか知らなかったんだ。

だから、彼女を抱くことに躊躇していたのかもしれない。抱いたら彼女もただ欲望を解消するためだけの対象になってしまうんじゃないかって……。

でも。
愛しているからこそ感じる欲望もあるんだ。

愛しているから触りたい、キスをしたい、抱き締めたい、どこまでも何度でも感じさせたい。

彼女に快楽を求めて満たされたい。俺を求める彼女を満たしたい。
互いに求め、満たし合う関係。
こんな幸せがあるなんて、知らなかった。

彼女から求められるなんて、これ以上の幸せがあるだろうか。彼女と一緒に愛情と快楽を味わい尽くすこの幸せ。

こんな歳になって初めてこんなことを知るなんて恥ずかしい話だ。でも、この幸せを一生知らずに人生を終えなくてよかった。

君のおかげだよ?
俺は君に出会えて本当によかった。

改めて実感したんだ。

俺は君を愛してる。
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