残業しないで帰りたい!
もう、だんだん開き直って来た。
「隠してない!香奈ちゃんに家で待っててほしいの!そういう気分なの!」
「翔太くん、なにわがまま言ってるの?彼氏の気分で会社休むなんておかしいでしょ?翔太くん、課長さんのくせにダメだよ、そんなの」
「……たまにはいいんじゃない?」
「やっぱり翔太くん、おかしい。何か隠してるよね?明日何かあるんでしょ?」
「ホントに何もないってば!」
「えー?ホントに?なんか焦ってない?」
うーん、うまくいかないなあ。
今日くらいは思い通りに動いてよ!
「……もういい。でも、今日は俺の言うこと、聞いてもらうよ!」
「ええっ?うわぁっ」
抱き締めていた彼女の体を、勢いよく自分の下に組み敷いた。
俺は単純な男だ。
言葉で説得してもダメなら力ずく、なんて。
疲れて寝坊したら休もうと思うんじゃないか、なんて……本当にバカだ。
一晩中……なんてしてみたいけど、そんなことは無理なわけで。
でも、いつもより相当しつこくしてしまった。
もうダメって言われたのに、もう無理って言われたのに。
彼女もダメなんて言って逃げるような素振りをするわりにしがみ付いてくるから、俺もたまらない気持ちになって、しつこく追い求めてしまった。
結果、彼女は突然落ちるようにくたっと眠ってしまった。
下着を着せてもパジャマを着せても全然起きない。
さすがにちょっと反省した。
無理させちゃった……。
香奈ちゃん、ごめんね。
このまま深く長く眠って。
俺、ずっと抱き締めてるから。
そして明日はそのまま思いっきり寝坊して、会社には来ないでほしい。
新田にはどうしても会わないでほしいんだ。