残業しないで帰りたい!

香奈ちゃん、一度家に帰って会社に行くつもりだよね?
これはもう、止められないなあ。

そもそも真面目な香奈ちゃんに、会社をサボってほしい、なんて提案したこと自体に無理があったんだ……。

香奈ちゃんにラインで『おはよう。サンドイッチありがとう』と送ると、返事はすぐに来た。

『おはよう。翔太くん、ちゃんと起きれたね?良かった』

『香奈ちゃんずいぶん早く起きたね?平気?』

『私は平気!翔太くんこそ大丈夫?気をつけて会社に行ってね』

香奈ちゃんは優しいなあ。あんなに無理をさせたのに俺のことを心配してくれて。
まあ、実際疲れて起きれなかったのは俺の方だったけど。

そして、しつこくもう一度だけチャレンジしてみた。

『香奈ちゃん、会社休んでいいんだよ?』

ん?返事が来ない。しばらくじっと待つ。
呆れたかな?

ピロンッと音が鳴った。

『そこまで言われると、気になってますます休めないよ!だから今日は会社に行きます!』

あらら、逆効果だったか。仕方ないな。
じゃあ新田を押さえるしかない。

『わかった。気をつけてね』

『はーい』

とにかく早く会社に行こう。
そして新田をマークしておかなければ。

でも、いつもより時間に余裕があったから、香奈ちゃんの指示通りにお湯を沸かして作ったコーンスープとサンドイッチを堪能した。

美味しいなあ。
平日にこれが食べられるなんて、幸せ。

香奈ちゃんが作るサンドイッチは、パンの表面を少しだけ焼いてある。それがまた香ばしくて美味しいんだよなあ。

これで、香奈ちゃんが目の前にいたらパーフェクトなんだけど。

やっぱり、一人は寂しい。

一緒に過ごすのが週末だけなんて、本当は全然物足りない。
本当はずっと一緒にいたい。
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