残業しないで帰りたい!
「じゃあ、10人?」
「えっ?」
はあ、まあ、それはそうだね。
香奈ちゃんは俺の様子をじっと見つめて、また口を開いた。
「……50人?」
え?……抱いただけなら、まあ、そのくらいはいただろうねえ。
……香奈ちゃん。
そんなこと聞いてどうするの?
「100人?」
「……」
んー……否定はできないなあ。ずいぶん長いことフラフラしてたから、そのくらいはいたのかもしれない。
困って何も答えずに見おろすと、香奈ちゃんの瞳は少し揺れて不安げに見えた。
「香奈ちゃん?」
「……どうしてかなあって思ったの」
「何が?」
憶えていないこと?
そうだよね?そんなの……軽薄だよね?
すると香奈ちゃんは今にも泣きそうな顔をした。
そんな顔しないで。
こんな男、嫌になった?
「翔太くんはすごくかっこよくて、すごくモテて、たくさんの女の人を知ってるのに、どうして私なんかと一緒にいてくれるのかなあって……わからなくて不安になる」
そんなこと……。
「好きだからに決まってるじゃない。香奈ちゃんのことが好きだからだよ。不安になんかならないで」
「でも、どうして私なんかが好きなのかなって。……私がのんびりしてるから?でも、私より可愛くてのんびりしてる人は世の中にいっぱいいるよ?」
「俺のこと信用できない?」
「そうじゃないよ!でも……」
「香奈ちゃんは誰よりも可愛いよ?断トツで一番!香奈ちゃんじゃないとダメなんだ」
「……」
微笑みかけて言ったけど、香奈ちゃんは不安な瞳のまま。
俺の言葉を信じていないね?
君のいけないところは自分に自信がないところだよ。
仕方ないな。
こうなったらもう一つ、俺の秘密を教えてあげよう。