残業しないで帰りたい!
バタンッと扉が閉まったから、俺はエンジンをかけて車を出した。
腹が立つ自分を抑えられなくて、バックミラーに映っているであろう彼女の姿すら、視界に入れることができなかった。
俺は本当に幼稚でバカだ。
他の男にとられるのは嫌なくせに、自分では何もできない。
だって、君にとって俺はただのトモダチなんだろ?その関係まで失ってしまったら、俺には何も残らない。
可愛くて元気な君のそばにいられる特権を失いたくない。
だから、俺は微動だにできない。
君のことを好きだなんてバカな告白をして君を失うくらいなら、何も言わず何もしないでそばにいたいんだ。
こんな臆病でバカな俺を君が好きになるわけがないよね?
だからせめて、このまま友達でいよう。
だからと言って、このまま他の男に奪われてしまう君を見守る自信もない。
君を見守れずに結局破綻する関係なのであれば、恥も外聞もなく、その男と君の関係もメチャクチャにしてしまえばいいんだろうか?
……どうしたらいいんだよ!
皆目見当がつかない。
ただただ胸の痛みを抱えたまま、ハンドルを握る手にギリッと力を入れた。
ダメだダメだ!
今は忘れよう。
こんなの仕事にならない。
そうだ、仕事!
仕事しよう……。