残業しないで帰りたい!

でも、そんな期待とは裏腹に、その事件以来、ダメな課長をみんなで支えよう!って課風がなぜか定着してしまい、課内のチームワークは非常に良い……。

まあ、それはそれでいいけど。
なんだかなあ……。

俺が東京で「うたたね王子」なんて言われてたって情報を女の子たちが仕入れちゃったせいもあるかもしれないけど。

結局、部下が優秀で何でもやってくれるから、俺はすっかりそれに甘えて、やる気がないのは見た目だけで、実は昼行灯でやる時はやりますよってハッタリをかましつつ、本当にやる気のない毎日を過ごしていた。

そういえば、大塚に関してはもう一つ事件があった。

もうすぐ午後の始業時間という時に「駐車場から大塚係長が戻ってこない」と課内の女の子たちが喋っていたから、しれっと会話の輪の端に座ってみた。
会話を聞く限りだと、大塚はどうやら女と会ってるらしい。

まさか大塚の相手、青山さんじゃないよね?

「なになに?大塚、女と会ってんの?誰?」

「は?課長?勝手に座るな」
「会話に入るな!」
「これ、女子の会話」
「うざい」

好き勝手言ってくれるなあ。ま、変にモテるよりはこの方がいいけど。

「でもさ、気にならない?……見に行ってみようよ?」

「えー?課長、悪趣味!」
「性格わるっ」
「デリカシーないね」
「バカなんじゃない?」

あーもう、うるさいなあ。本当は君らだって気になるくせに。

「いいよ。じゃあ俺、一人で見に行くから」

そう言ったら「仕方ないなー」とか言いながら結局全員付いてきた。
やっぱり気になるんじゃない。

駐車場に着くと、大塚は女の子に一生懸命何かを話していた。
お!よかった、相手は青山さんじゃない。
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