さくら
翌朝、志信が起きて2階の自分の部屋からキッチンへ下りて行くと、藤子と桜子が仲良く並んで朝食の用意をしていた。
「おはよう」
桜子が志信に気付いて顔を向けた。
「おはようございます。え・・・・・っと」
「志信や。お兄ちゃんでもええけど、しーちゃんって呼ぶか?」
「・・・・・しーちゃん?」
控え目に呼ばれた名前が妙にくすぐったい。照れ臭いのを誤魔化すために桜子の頭をなでようと手を伸ばした。途端に桜子がビクッと身体を竦める。
ああ、そうか・・・・・・・・・・。
迂闊に手を伸ばしたことを後悔した。
「・・・・・桜子、オレはお前が痛いことは何にもせえへんから安心し」
「ごめんなさい・・・・・・・・・・」
小さな身体をもっと小さくして桜子が謝る。