さくら


「怖い夢でも見たか?」
小さな背中を撫でていると桜子がほっと微かに息をつく。

ふるふると頭を横にふり、涙を溜めた瞳で志信を見上げにっこりしようとする。

「大丈夫やで。桜子、大丈夫」

ーーーーーー夢でうなされるくらい酷い目にあっていたのかと思うとたまらなくなった。

桜子の頼りない身体を抱き上げて隣の自分の部屋に行き、ベッドに降ろす。

「お前のベッドじゃ狭いからな」

布団をかけてやり、志信も隣に入った。桜子が驚いた顔をして志信を見る。

「オレは強いからな。お化けでも幽霊でもどんとこいや」

桜子の表情がやっと自然に緩む。

「しーちゃん、ママみたい」
そう言うと安心したように目を閉じて、やがて規則正しい寝息が聞こえてきた。


ママか・・・・・。
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